金の基礎知識
歴史
有史以来初めて金を用いたのは古代文明を築いたシュメール人と言われ、紀元前6000~5000年頃にまで遡ります。その後古代エジプト第18王朝(紀元前1350年頃)のツタンカーメン王の遺宝が1922年に発見されました。柩やマスク、多彩な副葬品などには金が贅沢に使われ、その輝きは3000年以上たった今でも衰えることはありません。このように、数千年の時を超えた人間と金の深い関係は脈々と続いているのです。
小売価格の変動
金の国際価格は通常、トロイオンス(31.1035g)当たりの米ドル建てで表示されています。このトロイオンスとは、貴金属の重さを表す質量の単位で、日本においては、通常グラム当たりの円建てで表示されます。
金の国内小売価格の最高値は1980年1月21日の6,495円/g(税抜)となり、当時の情勢不安による国際価格の上昇や米ドルに対する円安が主な要因でした。また最安値は1999年9月17日の917円/g(税抜)でした。(1973年4月の金自由化以降での最安値)
供給
今までに採掘された金の量は約18万トン、オリンピック公式プール3.7杯分相当といわれています。地球上の推定埋蔵量は残り約5万トンとされ、その大部分が採掘困難な場所にあると言われています。
金はこのように希少な資源ですが、市場からの回収などによって供給されるリサイクル量の割合も近年多くなってきています。
需要
金の需要としては「宝飾品」が圧倒的に多く、近年では需要全体のおよそ5割を占めています。その他では資産形成用(地金・コイン等)、工業用などがあります。
インフレに強い
金利が上昇し物価が上がってくると、不動産と同じく実物資産である金の価格も上昇するため、インフレ環境にも強いと言われます。
デフレの状況において物価が下落し、株や債券などの価値が減少しても、信用不安のない金に投資資金が流れてくる傾向にあります。
実物資産としての価値
実物資産のため利息がつきませんが、その価値がゼロになることはない金は長期的なスパンでの投資に向いています。
次世代への資産形成、相続財産として世界中で変わらない価値が認められています。
リスク分散資産としての輝き
金は、政治・経済の予期せぬイベントによって株や債券が下落する局面でも、リスクを回避する買いが入りやすい傾向にあります。
リスクを分散できる金は、「守りの資産」として選ばれています。